番外編現場セミナー:第39回土師ダム桜守プロジェクト 活動報告
番外編現場セミナー 第39回土師ダム桜守プロジェクト 活動報告
(事前準備12/5:金・本番 12/7:日)安芸高田市八千代町土師
令和7年 12月5日(金)、冬の気配が一段と深まる中、私たちは第39回「土師ダム桜守プロジェクト」の事前準備に臨みました。当日の朝、現場は深い濃霧に包まれ、数メートル先も見通せないほどの視界不良。さらに気温は上がらず、今季一番の冷え込みを感じる厳しい天候となりました。一時は作業の実施も危ぶまれましたが、高度なチェーンソー技術を持つ14名は、そんな悪条件をものともせず集結しました。
10時を過ぎる頃には霧が晴れ始め、いよいよ作業開始です。3班に分かれ、事前に赤いテープで印をつけたサクラ、アメリカフウ、柿、コナラなど約20本の樹木を慎重に見極めていきます。今回の特筆すべき任務は、近隣での「熊対策」として、柿の木を優先的に伐倒することでした。本番で一般参加者が作業するサクラについては、この日は伐倒のみに留め、あとの工程は当日に託すこととして、安全第一で準備を完了させました。
そして迎えた12月7日(日)、プロジェクト本番。天気予報は「曇りのち晴れ」と早朝は1度と低い気温の状況でしたが、安芸高田市八千代町の地元住民をはじめ、広島市や近隣地域から家族連れなど総勢 80名もの有志が集まりました。
開会式は、身を切るような寒さの中、焚き火を囲んで行われました。ゆらゆらと立ち昇る炎の温もりが、参加者の心を解きほぐしていくようです。山本優会長の挨拶に続き、来賓の安芸高田市長(建設部長代読)から温かい祝辞をいただきました。また、15 回以上の継続参加者への表彰式も行われ、長年この活動を支えてきた方々への感謝の拍手が響き渡りました。続いて、正本大顧問より作業方法や安全作業の心得が説かれ、参加者は「伐木の集積」「間伐」「下刈り」「施肥」「なめこ植菌」の5つの班に分かれました。式典終了後全員での集合写真におさまった後、本番の作業がスタートしました。
私が所属したチェーンソー班は、精鋭9名。主な任務は、事前準備で伐倒しておいたサクラ3本の「玉切り」です。なめこ植菌に適した長さに切り分けていくのですが、これが一筋縄ではいきません。太い幹や地面に接した不安定な箇所の処理は、一歩間違えれば事故に繋がります。しかし、これまでの研修で培った技術を互いに確認し合い、慎重かつ正確に刃を入れていきました。予想以上にスムーズに作業が進んだため、残りの時間は「熊の被害防止」のため、柿の木の伐採を急ピッチで進めました。
お昼休みに全員で囲んだ昼食の時間も、この活動の醍醐味です。凍えた体に、温かい豚汁、おむすびの程よい塩気が驚くほど染み渡ります。外で食べる食事の美味しさ、そして同じ目的を持つ仲間と交わす会話が、作業の疲れを心地よい達成感へと変えてくれました。
午後は柿の木の伐採に全力を注ぎました。点在していた柿の木を次々と整理し、最終的に切り終えた数は、実に135本。14時 30分、予定していたすべての作業を無事に完遂することができました。
閉会式では、土師ダム管理所長より感謝の言葉をいただき、参加者には「なめこ菌」を植え付けた「ほだ木」が記念品として配られました。木に触れ、目を輝かせる子どもたちの姿を見ていると、この活動が自然環境を守るだけでなく、次世代へ想いを繋ぐ大切な場であることを改めて実感しました。
土師ダムの美しい桜並木を守る活動は、単なる森林整備ではありません。顔なじみの仲間と互いに学び合い、地域社会の絆を深める「心の整備」でもあります。今回得られたなめこ栽培の楽しみを分かち合いながら、これからもこのプロジェクトに情熱を持って関わり、未来へと美しい景観を引き継いでいく決意を新たにしました。皆様お疲れ様でした。