現場セミナー 広島工業大学 森林体験活動報告

実施日 2026年4月7日
実施場所 広島県廿日市市吉和1593-75 広島県立もみのき森林公園


心配された天気にも恵まれ、広島工業大学環境学部デザイン学科の学生158名を迎え、広島県立もみのき森林公園内のオートキャンプ場地区進入路周辺の杉林内の間伐及び除伐、枯損木等の撤去と公園管理者の要望による駐車場周辺の松等の伐倒と集積作業を実施しました。この活動経歴は2019年の開始以来、コロナ禍による3年の中断を経て、今回で5回目を数えます。

今回の活動は、単なる伐採体験に留まらず、森林資源が製品になるまでの工程を五感で学ぶ「森林資源サイクル学習」として実施されました。

158名の学生は4グループ(大型バス4台)に分かれ、以下の拠点をリレー形式で巡りました。

  1. 株式会社マルニ木工(木材家具製造) 高度な加工技術により、木材がデザイン性の高い家具へと生まれ変わる「出口」の工程を見学。
  2. 中本造林株式会社(丸太製材・加工) 運ばれた丸太が建築資材や製品へと姿を変える、ダイナミックな製材現場を体感。
  3. 株式会社ウッドワン(国際・国内木材流通) 国内外の多様な木材を扱うグローバルな視点から、木材利用の現状と企業の役割を学習。
  4. 広島県立もみのき森林公園(山元での伐採・間伐) 「人と樹の会」の指導のもと、すべての起点となる森林の維持管理を実践。

もみのき森林公園を受け持った人と樹の会メンバーは、指導者として参加し158名(4台のバス)の学生に対し、スギ材の間伐・除伐、枯損木の撤去及びオートキャンプ場地区進入路周辺の松等の伐倒と集積作業を指導しました。

作業する前は、大型バスが到着するごとにオリエンテーション、恒例の安全祈願「ドングリコロコロ(安全唱和)」を1台目わたくし梅田、2台目櫻井さん、3台目森田さん、4台目河原さんのリードで行うと、学生たちの緊張感がほぐれ、和かな雰囲気で作業が始まりました。

最初はぎこちない手つきでノコを使用していましたが次第にスムーズになり、松を切った時に「いい香り」と声が上がる場面もありました。切った木は、薪として活用するほか、太い木は法面の土留めとして再利用し、森林資源の循環を肌で感じてもらいました。また、あるグループでは、学生たちに人と樹の会に勧誘した指導者もいた様子でした。

以下関係者の声

広島工業大学教員より

「これから建築やデザインを学び始める学生たちにとって、目の前の森林が自分たちに手で奇麗になっていく過程を目の当りにしたことは、非常に大きな衝撃と自信になったはずです。世の中には様々な材料がありますが、この体験を経て、将来設計者や実務者になった際に「国産材」を選択肢の筆頭に置けるような、木に対する深い意識を持った人材になってくれることを確信し、大いに期待しています。

参加学生の感想一部抜粋(森林体験活動で感じた事)より

素材への感謝: 自分達が使う椅子や机、住んでいる家など。素材となる木の一本一本がこれほどまでの重労働と苦労を経て作られていること,身をもって知りました。これからは木材を見る目が変わります。 森林整備の重要性:「普段安全に山道を通ることができてるのは、道路に飛び出した木を伐採していただいている方々がいるのだと気づきました。」

「間伐されて見晴らしが良くなったことで、すっきり見えて気持ちが良かったです。そして間伐されて見晴らしが良くなった森の清々しさは忘れられません。」 循環の実感:「間伐の木を積み上げて虫等の住処になったり、薪にしたり、土留めにしたり・・・・・。捨てるところがなく、工夫次第でなんにでもなる木の便利さと人間の知恵の凄さを感じました。」

活動終了後、整備した森を眺めると、改めて「人の手が入ることで森は生まれ変わる」という確信を強くしました。

追記・分析:アンケート結果について(58名分)

問 森づくり森林税、森林環境税を知っているか?知らないか?

  • 広島県の森づくり森林税:知らない 98.1%
  • 出身地:県内51.5% 県外48.5%
  • 森林環境税:知らない 100%

アンケート結果から見ると「森林関係税」の認知度の低さが今後の課題として浮き彫りになりました。

現状:県内出身者が半数を越えながら、広島県の「ひろしま森づくり県民税」の認知度がわすか1.9%「森林環境税」に至っては0%という結果でした。

示唆:学生たちの感想にある「普段の安全が伐採作業によって守られている」「木が苦労して作られている」という実感こそ、税の必要性を理解する第一歩になります。

活動を通じて知識(税)体験(作業)が結びつくきっかけを提供できたことが今回の活動の成果と言えるのではないでしょうか。

初めて木を伐り倒し薪の長さに切りました
安全祈願「ドングリコロコロ」 グループ別に行いました
松の切り口からいい香りが立ちこみました
除伐作業で山は奇麗になりました
ノコギリでの切る感触を掴みました

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