番外編現場セミナー:安全に木を伐る研修会(第1回)

番外編現場セミナー安全に木を伐る研修会(第1回)
7/15(土)・16(日) 安芸高田市八千代町勝田


梅雨末期の 7 月 15 日 16 日の2日間、安芸高田市八千代町勝田山林内及び常磐神社境内 で行った「安全に木を伐る研修会」には、当会員や森林ボランティアで活動している延べ 19 名の参加があった。

研修会の講師は「習って、身に着け、活かしましょう」をテーマに、座学を広島県安全衛 生教育指導者與儀兼三様、実技を(元)みどり情報局静岡指導者桧谷利雄様にお願いした。 安全に木を伐る作業をするためには「作業者が対象木を作業開始から終了までコントロ ールすること」であり、必要なコントロール能力(技術・技能・判断力)や立木の立地条件、 林齢、樹種や気象条件を考慮してリスク軽減をどれだけ図れるかを判断し、作業するか、しないかを決めます。 今回の研修では、チェーンソーで木を安全に伐る、正しい知識(知識、技術、技能)を身に着ける基礎を習得しました。

以下研修内容の要点を記す。

○研修会 (7/15~7/16)

7月 15 日(土)1日目 曇り一時小雨 (11 人)

Ⅰ 座学(1 時間)労働安全衛生教育(特に労働安全衛生規則に改正)について

改正点の背景は、林業における労働災害による死亡者数が年間 40 人前後で推移しており 平成 23 年以降改善が見られていない状況にある。特に死傷者の起因物では、立木等が3割、 チェーンソーが2割と多数を占めている。このため厚生労働省が労働安全衛生規則の一部 を改正。

今回の改定では、林業、土木工事事業、造園工事業など業種に拘わらず、伐木作業等を行うすべての業種が対象となった。

1 主な改正点(事業者が講ずべき処置等について)

(1)チェーンソーによる伐木等の業務に関する特別教育の時間数を増やした。

(2)伐木等における危険防止するために次のことを規定した。

①受け口を作るのは立木の対象胸高直径 40 cm⇒20cm 以上に拡大立木の伐倒時の措置を 義務付けた。

②かかり木の速やかな処理、かかり木の処理における禁止事項(かかり木の処理、かから れている立木伐採、浴びせ倒し)を規定

③立木の高さの 2 倍の距離を半径とする円形の内側には立ち入らせない

④下肢の切創防止用保護衣の使用を義務付け

(3)その他の改正 車両系木材搬出機械による作業等の作業計画関係

2 チェーンソーについて

チェーンソーの各部名称、エンジンの作動、チェーンソーの構造を学ぶ

3 チェーンソーの取り扱い方

ソーチェーンの取り付け方、燃料の入れ方、始業時の点検(燃料・チェーンオイル

補給時 の注意点)ガイドバーの種類・特性、メンテナンスの方法について学ぶ

Ⅱ 基礎実技

1 目立て

目立てのポイント(チェーンソーの固定、刃の目視、目立ての角度、デプスゲージ) 適正なフォーム、ヤスリの柄の握り方、左カッターの研ぎ方、右カッターの研ぎ方 カッターの悪い形フック及びバックスロープ及びこれらの修正の仕方、横刃の目立て 角度(80 度~85 度)上刃切削角度(55 度~60 度)上刃目立て角度(30 度~35 度)目 立て角度の測定の仕方、デブスゲージの修正の仕方

2 チェーンソーワークの基本

服装・装備、チェーンソーの持ち方、横に置いた丸太を切る姿勢(立つ、中腰、 膝をつく) 立っている丸太を切る姿勢、危険なポイント(キックバックの危険ゾーン)、エンジン のかけ方、かけ方の体勢(落としかけ禁止)アクセルのコントロール方法

3 操作のトレーニング

①丸太の輪切り(ガイドバー上方の顔を位置しない。ガイドバーの先を使わない。切り 終えた後、余力で地面を切らない。)丸太を上から切り込む、丸太を下から切り上げる。 膝をついて丸太を切る。

②玉切(片持ち材の切り方(1下から2上からフルスロットルで一気に切る)、両持ち 材の切り方(1上から2下から切り上げる。

③水平切り 丸太を立てて(1m、直径 20~25cm)水平に 2~3cm 厚の輪切りにする。

(右手の脇を締める、後部ハンドルを体に引き付ける。左手は前ハンドルの底部を横から握る。)

④突っ込み切 最初にガードバーの先端を左に手元から丸太に当てる(キックバックに注意)腕だけで操作しない、体全体で真っすぐ押し込む。

7月 16 日(日)2日目 晴れ(8 人)

II 基礎実技 (午前中は丸太を利用した操作トレーニング)

1 目立ての復習 (30 分)

1日目で学んだことを復習した。

2 操作のトレーニング

チェーンソーワークの基本を復習し、確認する。

3 操作のトレーニング

昨日の1~4を繰り返し練習する。特に伐倒方向と正確な受け口づくり(伐倒ラインの確認(目印)、チェーンソーでねらいを定める(ガイドバーと伐倒ラインは直角)受口は修正できる余裕で設定することがポイント、折曲がり線(正確な会合線)根張りの伐り方、オノメの入れ方

4 伐木造材の訓練 (午後からは実際に伐木造材訓練)

最初に講師による模範伐倒を見学する。枯損木で危険な立木(3本)を抜倒処理後研修生が伐木造材(4本)を行い、その都度厳しい指導を受けた。

①伐倒前の準備作業 (伐倒木の周囲の確認、足場、待避場所の確認)

②指差し安全確認 ミスを減らすため5項目を行う(1.上方よし 2.周囲よし 3.前方よし 4.足元よし 5.待避方向よし)

③チルホールの使い方(必ず滑車を使い方向を変える)2倍力の仕方

④伐倒に当たっては 追いツル伐りの指導を一人一人が受ける。一人伐り他の者は全員見学、細かな留意点や注意点を全員で確認した。特に伐倒後の伐り株で具体的に解説指導を受ける。わかりやすく座学では学べない貴重な体験である。

⓹伐木の基本 倒す方向側に受口をつくり、反対側から追い口をつくり、クサビ などを打ち込んで倒す。

5 伐倒の補助器具

クサビ、鋸、ハンマー、滑車、スリング、はしご、チルホール、 ワイヤーロープの使い方を学び使用体験した。

III ふりかえり

①目立ての大切さを改めて思い知らされた。(水平切りの輪切りでは目立てが悪いと切れないので立てた丸太が倒れる)

②指導者の強い責任感覚の研修を受けさせてもらいありがたかった。(会場周辺の事前安全管理、訓練用の小道具の準備、機材の確保と準備が行き届いていた)

③目立てゲージの使い方を初めて知った。横刃の目立て角度(80°~85°)の測定が難し

い。

④チェーンソーのメンテナンス等正しい知識と使用方法の基礎を学べた。

⑤我流でチェーンソーを使っていたが基本を学べることができ感謝している。今後は我流を直して安全に扱えるよう努力をしたい。

⑥目立てはプロが毎日行っても一人前になるのは 3 年かかるといわれているほど難しい目立てとは何か目立ての基本をしっかり頭に入れて、繰り返し繰り返し基本を練習してください。

この活動は(公社)国土緑化推進機構の「緑と水の森林ファンド事業」の支援を受けて実 施しました。

番外編現場セミナー:安全に木を伐る研修会(第1回)の活動写真
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