現場セミナー 「げんき森もりゆめランド 復活と樹の循環」活動報告
2026年7月18日(土)「復活と樹の循環」活動集合写真
- 日時:2026年7月18日(土)10:00~15:30
- 場所:安芸高田市甲田町高田原
- 主催:一般社団法人 地域QOL研究所
- 参加者:計25名(当会4名)(地元及び広島市内などから小・中・高校生の家族連れなど)
- 指導者 8名(当会3名)
本事業は当初5月24日に予定されていたが、台風の影響で延期となり、この度7月18日に改めて開催した。当日は最高気温が35℃を超える猛暑日となったため、こまめな水分補給や十分な休憩の確保など熱中症対策を徹底し、安全管理を万全にしてプログラムを進行した。
10時過ぎからのオリエンテーションの後、室内教室では、事前に参加者から寄せられた「針葉樹と広葉樹の違い」に関する質問への回答を中心に20分間の講義を実施した。
解説に当たっては、人間の五感による認知割合(視覚83%、聴覚11%、嗅覚3.5%、触覚1.5%、味覚1.0%)に着目、事前に採取した8種類の樹木の現物(枝葉)を配付し、実際に「見て」「匂いをかいで」「触れて」もらうことで、五感をフルに活用した植物分類を試みた。
- 葉の形状と生き残り戦略:尖っているか(針葉樹)、広がっているか(広葉樹)という視覚的な違いから、常緑樹と落葉樹それぞれの生存戦略について解説した。
- 木材の特性と保水力:木の硬さの違いや用途、粘り強さを説明。さらに根の張り方
(深いか、浅いか)による「土壌崩壊防止機能」や「天然のダム」としての保水力の違いについて学んだ。
- 植物クイズの実施:「太陽の光(赤・黄・緑)の中で、植物はなぜ緑色に見えるのか」といったクイズを出題し、子供たちの興味と主体的な思考を引き出した。
10:30 現地見学:危険木の存在と処理の体験学習
座学終了後、川沿いの公園に移動し、1年前に大径の危険木を伐採した実際の現場を視察した。どのような木が危険木となるのか、その見分け方や具体的な対処法、安全な伐採の手順について、実物を見ながら説明した。現場では活発な質疑応答が行われ、以下のような体感的な深い学びの場となった。
- 木に空洞ができる理由:「なぜ木に穴が空くのか」という参加者からの質問に対し、虫が食べた穴から水や菌類が侵入し、木を腐らせていく過程を説明。実際の木に触れ、目で確かめることで、木が劣化していく過程を体験的に学んでもらった。
- 年輪の科学:日本のよう明確な四季の変化があるからこそ年輪が形成され、年齢を知ることができる一方で、四季の変化が少ない熱帯林の木には年輪ができないことを解説した。
11時からは、午後に行うワークショップの準備に着手した。今回のテーマである「資源の循環」を身でもって体験してもらうため、「原則として現地(公園)にある残地材料を使うこと」をルールとした。子どもたちは事前に考えてきた「作りたいもの」を思い浮かべながら、指導員と共に公園内を巡り、お気に入りの材料を拾い集めた。
12時からは教室に戻り、弁当を食べながら昼食交流の時間を設けた。このリラックスした時間を通じて、参加者同士やスタッフとの距離が縮まり、午後からの共同作業がよりスムースに進む土台が築かれた。
13時からは、午前中に集めた材料を活用し、各自が思い思いの作品作りに挑戦するワークショップを開始した。
〇子どもたちの豊かな創造性と作品例
子どもたちは自由な発想で木材と向き合い、多彩な作品が誕生した。
- 大型の作品・実用品:椅子、竹製の刀、自宅から持参した模型を飾るための「刀掛け」など
- 小物・インテリア:貯金箱、風鈴、手作り鉛筆、ピカチュウをモチーフにした可愛い飾り物など。
〇安全第一のサポート体制
ワークショップに当り、当会メンバーを含む指導員は「安全管理の徹底」に終始した。子どもたちが安全に作業できるよう、電動ドリル、電動カンナ、チェーンソー、糸鋸といった機械類を扱う工程には指導員がサポートを行い、怪我の未然防止に努めた。
最初はノコギリが上手く進まず苦戦していた子供が、指導員から正しい挽き方のコツを教わると見事に切り落とすことができた。「最初は切れなかったけど、教えてもらったら切れた!楽しかったから次回も絶対に来ます!」と満面の笑みを浮かべ、自分の作った貯金箱と鉛筆を誇らしげに見せてくれた姿が非常に印象的であった。
成果と今後の展開(木材の有効活用)
今回のセミナーは、参加した子供たちに危険木の存在を肌で感じてもらうと同時に、自然の循環や木材利用の重要性について考えてもらう貴重な機会となった。
さらに本活動の波及効果として、向原小学校から「木の輪切り」や「丸太の半割」といった教材用資材の注文をいただいた。これを受け、今回セミナーで学んだ危険木の伐採現場から切り出された残地材料を利用し、要望に応じた製品を制作・調達した。これらの資材は夏休み以降、学校現場などの教育活動で有効に活用される予定であり、地域内における「樹の循環」の確かな一歩となった。
熱中症警戒アラートが出された猛暑の中での開催であったが、参加者・スタッフ一同の緊密な連携と徹底した体調管理により、怪我人や体調不良者を一人も出すことなく、全工程を無事に終了することができた。最後に参加者全員で充実感あふれる記念写真を撮影し盛況裏に解散した。ご参加いただいた皆様、熱心にご指導・サポートいただいたスタッフの皆様に心より感謝申し上げる。

げんき森もりゆめランド公園 川に隣接した涼しい小屋での活動の様子
最後までお読みいただきありがとうございました!
私たち「ひろしま人と樹の会」では、広島の豊かな森を次世代へ引き継ぐため、一緒に活動を盛り上げてくれる仲間をいつでも募集しています。
自然環境やボランティアに関心のある高校生・大学生のみなさんの参加も大歓迎です!
「学校の枠を超えて活動してみたい」「まずは1回体験してみたい」という方も、お気軽にご参加ください。