番外編現場セミナー:大学校内サクラの「桜守活動」

2/14(土):安佐北区可部東広島文教大学
「桜人」と「人と樹の会」1年間の集大成です。


実施日:2026年2月14日(土)
参加者:当ボランティア会員13名、学生ボランティア4名、大学教職員2名計19名
2班編成とし、各10数本ずつ桜の手入れを実施

2025年4月より、私たちは森林整備に関して包括連携を結んでいる文教大学の学生たちとともに、年間を通して樹木整備や桜守活動を行ってきました。

学内周辺の雑木伐採整備から始まり、桜の知識を学び施肥を行い、学内の地質調査を実施して桜に適した土壌への理解も深めました。

また、桜の枝を使った桜染めも体験し、桜への想いがより深まってきたところです。

そして今回、桜にとってふさわしいこの時期に、1年間の集大成として、学内の桜を美しく咲かせるため、病虫害枝等の剪定を学びながら、2度目の施肥を行いました。

活動は朝9時からスタート。この日は曇り空で朝の気温は3℃と肌寒く、私はとにかく寒さに震えていましたが、学生たちも当会メンバーの大先輩たちも元気いっぱい。みんなで恒例の安全祈願「どんぐりころころ」を唱和して活動開始です。

大学校内には数十本の桜があり、主にソメイヨシノが並んでいます。樹齢は30~40年ほどで、中には70年近い桜もありました。

数本ずつ点在する桜たちの施肥(固形肥料・土壌改良剤)と剪定(病害枝・枯れ枝切り)を行うため、2班に分かれ、道具・資材を一輪車に乗せて手で押して移動しながら、桜から桜へ。

昨夏一度経験しているとはいえ、半年以上も前のことなので学生たちも思い出しながらの作業です。各桜の幹の周りに十数か所、深さ20cmほどの穴を開け、その中に固形肥料を3粒と土壌改良剤を加えて土を戻し、しっかりと踏み固めます。

最初はぎこちなかった学生たちの穴あけ機の操作も後半はすっかり慣れて、作業は昨夏よりもスムーズに進み、今回は大学入り口付近にある、シンボルともいえる桜の施肥までを実施することができました。

2度の施肥を終えた桜たちは、肥料の効果も期待され、1年後には美しく咲く姿を見せてくれることでしょう。

また、剪定では、樹木医であり桜の専門家でもある当会の理事長が、手入れ方法や不用枝の見分け方、病害枝の特徴などについて、実物を前に詳しく説明しました。

「桜切る馬鹿、梅切らぬ馬鹿」という言葉があります。これは、桜は枝を切ると切り口から腐りやすく弱ってしまうため、切ってはいけないという言い伝えによるものです。しかし実際には、正しく剪定することで桜を健やかに保ち、美しい花を咲かせることができるのです。

今回、学内の桜の剪定作業は4つの目的で行われました。

① 徒長枝(とちょうし)の整理
② コブの除去と適切な切り戻し
③ 病虫害(ソメイヨシノ大型こぶ病)の対策
④ 交差枝(こうさし)などの選伐 

①徒長枝の整理:

勢いよく複数真上に伸びる枝のことです。放置すると他の枝と競合し、日照が悪くなり病害虫の原因や樹形崩れを招きます。これらの枝を選抜して付け根から剪定し、切り口に癒合剤を塗り病原菌や乾燥・腐朽から守ります。

②コブの除去と適切な切り戻し:

古い剪定跡のコブや、枝の途中で切られた不自然な個所を整えます。

③病虫害(ソメイヨシノ大型こぶ病)の対策:

こぶ症が広がっていくと、水も栄養の移動も無くなって枯れていきます。これを防ぐ手段は伐るしかありません。

④交差枝(こうさし)などの選伐:

将来的にクロスしている枝は選抜します。他の枝と当たって皮が剥けここから病気が発生します。剪定をして日光が奥まで届けて花芽が育つ環境を作ってやります。

剪定作業にあたっては、どの枝を切り、どの枝を残すか、翌年の枝ぶりを想定しながら行ないます。少し伐っただけでも、光環境が変わっていくからです。

病気の種類や状態、拡大の仕組みを実際に目にするととてもリアルで、学生たちも当会メンバーも興味深く熱心に聞いていました。

その後、学生たちは高枝鋏で実際に枝の剪定も行い、美しく見える桜も、様々な問題を抱えていることを改めて感じることができたように思います。

ただ伐るだけでは光合成量が減り弱ってくるため、施肥はフォローアップの意味も持ちます。この肥料は夏に効きはじめ、翌年の花芽形成を助けます。

こうして翌年春を見据えた剪定・施肥作業は、11時40分に終了しました。

剪定した枝にも花芽がついており、参加者は自宅で楽しむため持ち帰りました。花瓶に挿して屋外など冷所で保管しておけば、桜の時期に合わせて花を咲かせます。

森林整備を通じて森林ボランティアの普及と若い世代の育成を目的として始まった本活動。今回を最後に卒業していく4年生と、来年度からも桜守を続けていく1年生との協同作業の場ともなりました。さらに、学内に「桜人(さくらびと)」という活動グループも生まれました。

学生たちだけでなく、私たちにとっても、森林整備ボランティアという枠を超えた新たなつながりを育む機会となりました。

4月から2年生になる桜人たちとともに、桜守活動を継続できればと思います。

また、学生たちからは、学生たち自身が主催した桜染め体験会と、今回の桜守活動の報告書が届きましたので、併せて掲載させていただきます。

クリックでPDFが開きます。
クリックでPDFが開きます。

一緒に活動しませんか?

私たちは森林保全活動や環境教育に一緒に取り組んでくれる仲間を募集しています。
個人・企業・学校、どなたでもお気軽にご参加ください。