番外編 現場セミナー 鈴が峰小学校どんぐりのコマ作り、マツカサツリー作り
11 月7日(木)、12月9日(月) 広島市西区鈴が峰町 鈴が峰小学校
中元の地元の鈴が峰小学校から、昨年と同じように小学校1年生の学校教育活動地域連携推進授業でどんぐりのコマ作り、マツカサツリー作りの指導してほしいと言われ、会で引き受けることにした。
どんぐりコマに適しているどんぐりは、クヌギ、アベマキであるが、鈴が峰小学校庭にクヌギが植えてあり、昨年は沢山のドングリが生っていたが、今年はほとんど生っていなかったと嘆かれていた。私も友人宅のあてにしていたクヌギの木がナラ枯れの被害にあい、 ドングリを調達することはできなかった。 櫻井さんや神川さんの協力により、十分な量のクヌギのドングリを用意することができた。
11 月 7 日のドングリコマ作りには、井本、櫻井、中元の 3 名で指導を行った。9時過ぎに小学校に集合した。時間になり1年生 15 名が先生に連れられて、工作室に入ってきた。
最初に、わが会恒例の 「どんぐりころころを」学校中に響き渡るような大きな声で3唱し、どんぐり教室を開始した。
まず井本さんが絵をかきながら、 その中で、 地元の街路樹としてたくさん植えてあるマテバシイとコマに使うクヌギのどんぐりの違いを説明した。
また根の出たクヌギを示して、どんぐりの根や芽の出方を説明し植え方を教えた。
またクヌギのどんぐりはタンニンがたくさんあり苦くて食べられないが、マテバシイのどんぐりは甘みがありどんぐりクッキーを作ればおいしいと説明すると、 「食べたいー」とたくさんの声が聞こえた。
どんぐりコマは、 お世話になった 6 年生、お父さんお母さん、 学校の隣のルンビーニ幼稚園の年長さん、自分用の4つ以上を目標に作るようにと先生が説明された。
3 班に分かれて、コマ作りに取り掛かった。万力にクヌギのどんぐりを固定し、最初にキリで穴を開け、 適当な深さになったところでキリを抜いて、爪楊枝を刺させて、適当な長さに切りどんぐりコマの完成である。 そのコマを回して出来上がりを確かめて、 その後思い思いに色付けを行った。
終わりには 7 個作ったなど、作ったどんぐりコマを見せてくれた。子供たちが大きな声でお礼を言ってくれて事故もなく無事に終わることができた。
後日、子供たち全員から感謝の文集をもらった。
「どんぐり名人さんへ。どんぐりには、いろいろな種類があることがわかりました。どんぐりコマをまわしたときに、ほそいつまようじでぐるぐるまわすときたのしかったです。おしえてくれてありがとうございました。」など。
12 月9日にはマツカサツリー作りを行った。
当日は、櫻井、中元に三原から正畑さんに加わってもらい 3 名で指導を行った。 今回も1年生 15 名を 3 班に分けてのマツカサツリー作りである。
大王マツなどの大きなマツカサがいいが、 なかなか手に入りにくかったのを、正畑さんが苦労して手に入れてくれた、大王マツのマツカサを使ってツリーを製作した。
事前に正畑さんが、台を木肌のつるつるして固いナツツバキやリョウブにクロモジオの枝で固定し、 、マツカサに銀色の色付けを行い準備してきてくれた。
子供たちにマツカサ、爪楊枝を渡しマツカサツリーに爪楊枝を使って、マツカサの松一辺一辺にボンドをつけさせた。その後正畑さんが、キラキラ素材を一面につけた。 その後いろいろなビーズの飾りつけを行って出来上がりである。子供にはそれぞれ個性がありボンドを沢山つけて飾りつけ、 キラキラをたくさんつける子や、 ビーズの色を統一する子、 簡素にバランスを考えながら飾りつけをする子などそれぞれのマツカサツリーが出来上がった。
最後に、自分の作ったツリーに名前を付けて、その名前の由来を全員に発表してもらった。
「平和を願うツリー、友達と仲良くするツリー、みんなが幸せになるツリー」などユニークでホントに1年生と思うような名前を付けて発表してくれた。
クリスマス前に、自分で作った世界に一つのマツカサツリーに子供たちはもちろん先生も大喜びであった。
どんぐりコマ作りやマツカサツリー作りを通して、楽しい時間が共有でき、子供たちに我々爺々連中も元気をもらうことができた。
(報告者 中元明弘)
番外編現場セミナー 炭焼き体験講座
開催期間:2024 年 11 月 19 日(火)~12 月 22 日(日)
場所:安芸高田市八千代町土師及び北広島町土橋
参加者:延べ 82 名、見学者3名
11 月 19 日(火):炭木の調達
◯参加者:4 名
主な作業は、炭焼きの原料となる木材の調達でした。北広島町土橋の山中で、コナラやミズナラなど広葉樹 15 本を選定し伐採。伐採した木は山から運び出し、現地で 99cm に切り揃えました。この
長さは窯に入れる際に適したサイズです。適切な伐採方法と安全管理のもと、効率よく作業が進行しました。
11 月 28 日(木):炭木の搬入と薪割作業
参加者:8 名
この日は、伐採した炭木を北広島町土橋から安芸高田市八千代町土師にある炭小屋まで運搬しました。トラックを使用して運び、運搬後は薪割機を使い、炭木を必要な大きさに分割しました。薪割は木材の乾燥を促進し、炭焼きの効率を高める重要な工程です。
11 月 29 日(金):不足分の炭木調達
参加者:13 名
この日は、地域の「桜守プロジェクト」に協力しながら不足分の炭木を調達しました。安芸高田市内の山林でアラカシを伐採し、炭焼き用に準備を進めました。桜の保全活動との連携により、伐採し
た木材を無駄にせず活用する取り組みが地域全体で評価されています。
11 月 30 日(土)~12 月 1 日(日):窯への立て込みと焚口で燃やす木の調達
参加者:延べ 12 名
炭木の準備が整った後、窯への立て込み作業を行いました。炭木を縦に立てて隙間なく配置し、炭木と窯の天井の隙間には、上げ木を詰込み、適切な空気の流れを確保しました。立て込み終了後には窯の入口を耐火煉瓦や赤土、灰などで部分的に封鎖しました。
12 月 2 日(月)~12 月 7 日(土):炭焼き工程
1. 12 月 2 日~12 月 7 日:泊まり込みで火の管理
炭焼きの最も重要な工程である火の管理は、過去の記録された「炭焼き帳」を参考にして参加者が交替で泊まり込みながら行いました。昼夜問わず窯の温度を監視し、煙の量や色の変化を観察して調整しました。この作業では、窯周辺の安全確認を徹底しつつ、夜間の温度変化や天候に対応する体制を整えました。特に夜間の寒さが厳しい中で、交代制の作業により安定した温度管理が実現しました。
2. 1日目(12 月2日)6 名
火入れを開始。火を入れてからは煙の温度や排出量を調整しながら慎重に管理しました。火の管理では窯の内部温度を一定に保つことが、良質な炭を作るための鍵となります。
3. 2 日目(12 月 3 日) 5名:見学者2名
外気温が急激に低下し、作業環境が厳しくなりました。窯の内部温度は予定よりやや低めで推移しましたが、細かな調整を続けながら焚口で薪を投入燃やし続けました。
4. 3 日目(12 月 4 日) 4名
雪やみぞれが降り、気温がさらに下がりましたが、窯内部の温度は安定して上昇しました。
この日も温度や煙の色、量を観察しながら、炭焼きの進行具合を確認しました。
5. 4 日目(12 月 5 日) 3名 見学者1名
雪や雹、雨が交互に降る天候でしたが、炭焼きは計画通り進みました。参加者は防寒具を着用しながら作業を続け、窯周辺の安全確認も実施しました。
6. 5 日目(12 月 6 日) 4名
夜間も窯の温度管理を徹底しました。炭焼きの後半に差し掛かかり、煙の色が変化し始めたので、精錬の段階が近いことを確認。参加者が交替で温度を監視し、適切な調整を行いました。
7. 6 日目(12 月 7 日) 5名
最終日となったこの日は、目標温度に到達したので精錬を開始しました。煙が透明となり、温度も391.2℃になり炭化したと推定し、炭焼きを無事に終了。窯を封鎖し、炭の冷却期間に入りました。
12 月 22 日(日):窯出し
参加者18名
朝方は雪が舞い 10 時ごろから晴れ間となる天候でした。作業は炭窯の中で行いました。窯から炭は 1 本1本「そり」に載せて小屋の中に敷いたブルーシートの上に次々と運び出した。完成した炭
は黒光りし、金属音のする良質な木炭でした。最終的に箱や米袋に詰めて計量した結果、収穫量は 334.5kg(前回 320kg)となりました。また、遊び心で焼いた「飾り炭」も美しく仕上がり、参加者はお土産として持ち帰りました。最後に炭小屋の清掃を行い、灰で黒くなった顔を笑顔に変えて集合写真を撮影して終了しました。
まとめ
今回の炭焼き体験講座では、地域の資源を活用しながら伝統的な炭焼き技術を学び、実践しました。特に、記録された「炭焼き帳」を参考に、参加者たちが試行錯誤しながら泊まり込みで行なった火の管理は、参加者の連携と責任感が光る作業でした。悪天候にも負けず、地域の伝統を守るとともに、新たな発見を楽しむ場として、炭焼き体験講座は成功裏に終えることができました。皆様お疲れ様でした。
特別な感謝
今回の炭焼き体験講座では、多くの方々から以下のご協力を頂きました。心より感謝申し上げます。
・宿泊用ログハウスの提供・2T ダンプ、
軽四トラックの借用・昼食時の焼肉や夕食の差し入れ
・窯出しでのおにぎりや豚汁の振る舞い
(報告者:櫻井充弘)
番外編現場セミナー 桜守プロジェクト 土師ダム湖畔のさくら並木の手入れ
事前準備 11/29(金)
本番 12/1(日)
安芸高田市八千代町土師
事前準備
日時:11 月 29 日(金) 雨から曇り
参加者:会員 13 名
11 月 29 日、金曜日に「土師ダム桜守プロジェクト」の事前準備を実施しました。高度なチェーンソー技術を習得した会員 13 名が参加し、事前に赤いテープで印を付けた約 120 本の樹木(サクラ、イチョウ、スギ、シラカシ、竹など)を伐採しました。本番用
のサクラの木は伐倒のみ行い、枝払いと玉切りは 12 月 1 日の日曜日に持ち越しました。それ以外の樹木は運搬しやすいサイズにカットし、本番に備えました。
本番
日時:12 月 1 日(日) 曇りのち晴れ
参加者:100 名(会員 15 名含む)
12 月 1 日、第 37 回を迎えた「土師ダム桜守プロジェクト」が開催され、桜に関心のある八千代町内の家族連れや広島市などから 100 名が参加しました。
◆開会式
開会式では、山本優会長の挨拶に続き、来賓の藤本悦志安芸高田市長より祝辞が述べられました。その後、15 回の参加者の表彰が行われ、続いて正本大顧問から作業場での注意事項について説明がありました。各班長紹介後、各班に分かれてました。作業を開始する前には恒例の安全祈願(どんぐりころころ)を三唱しました。
◆チェーンソー班の作業
私が所属したチェーンソー班は当会の会員 6 名で構成され、11 月 29 日に伐倒したサクラ 4 本を玉切りしました。玉切りする木は、なめこの植菌用に適したサイズにカットしました。太い木や地面に接した部分の処理には苦労しましたが、これまでの訓練の成果を発揮し、無事作業を終えることができました。
◆昼食
外で食べたおむすびは、汗をかいた後の塩味が絶品でした。自然の中での食事が参加者の疲れを癒してくれました。
◆午後の活動
午後は、来年 2 月に予定されている第 38 回桜守プロジェクトの準備作業です。立木に巻き付いたフジヅルの切断を行いました。土師ダムの水位が高いため、水面に沈んだツルの伐採はできませんでしたが、全体の 90%の作業を完了し、安全な作業環境を整えることができました。
◆閉会式
閉会式では、協賛の土師ダム管理所長さんからお礼の言葉と、土師ダム 50 周年記念イベントが来年 2 月 9 日に開催されることが発表されました。参加者は「なめこ菌」を植え付けた「ほだ木」を 1 本ずつ持ち帰りました。地域一丸となった取り組みの規模
に感動を覚えました。
◆まとめ
土師ダムの桜並木を守るため、多くの人々が参加するこのプロジェクトの意義を改めて感じることができました。地域の自然を守るだけでなく、参加者同士の交流を深める場としても素晴らしい活動です。なめこ栽培の楽しみも増え、今後も引き続き参加を
続けていきたいと思います。
(報告者:櫻井充弘)
令和6年12 月 庄原市森林体験プログラム事業実施業務報告書概要
Ⅰ実施概要
1 業務名称 森林体験プログラム事業実施業務
2 委託期間 令和 6 年 4 月 18 日~令和 7 年 3 月 31 日
3 開催場所
庄原市比和町古頃 579 番地 庄原市森林体験交流施設「森林の学舎 ・比和」 、アサヒの森、 比和財産区有林、比和自然科学博物館、庄原市自然とやすらぎの里宿泊研修施設「かさべるで」 、庄原市比和財産区、道後山カントリーパーク、西城小学校
4 要旨
庄原市「森林の学舎・比和」を中心とする自然豊かな施設を活用し、児童を対象に森林体験学習を実施。 森林の多様な役割について学び、森林や林業への興味・関心を深めるとともに、豊かな感性や協調性、自己肯定感を育むことを目的とした。
期間中以下のように小・中学校を対象とした体験学習を計 11 回実施した。
事前学習を 3 回行い、体験活動の円滑な実施に向けた打合せを7回実施し無事故で事業目的を達成した。
5 児童活動内容(打合せは除く)
①林業体験、 木工・クラフト、植物観察、 星空観察 西城小学校 延べ 38名 (1泊2日)
②比和財産区散策 比和中学1年生 1 名
③クロモジ精油抽出 比和中学1年生 1 名
④座学 永末小学 5 年生 17 名
⑤座学 山内小学 5 年生 12 名
⑥座学 板橋・峰田小学 5 年生 22 名
⑦アサヒの森散策・林業体験・焚火体験・木工・クラフト・星空観察・比和自然科学博物館視察 永末小学 5 年生 延べ 51 名 (2泊3日)
⑧アサヒの森散策・林業体験 焚火体験・木工・クラフト・星空観察・比和自然科学博物館視察 板橋・峰田小学 5 年生 延べ 66 名(2泊3日)
⑨座学 板橋小学 5 年生 17 名
⑩アサヒの森散策・林業体験・焚火体験・木工・クラフト・星空観察・比和自然科学博物館視察 山内小学 5 年生 延べ 36 名 (2泊3日)
⑪アサヒの森散策・林業体験・木工・クラフト、高野小学4年生 11 名
⑫アサヒの森散策・林業体験・木工・クラフト、 庄原小学4年生 44 名
別紙「実績とりまとめ表」を参照
6 実践者 NPO 法人ひろしま人と樹の会
7 協力機関
庄原市、アサヒの森環境保全事務所、比和自然科学博物館、比和財産区 庄原市自然とやすらぎの里宿泊研修施設「かさべるで」庄原市比和自治振興区、道後山カントリーパーク
Ⅱ実施実績 詳細は別紙、実績とりまとめ表のとおり
1 参加校
中学校 1 校(比和) 、小学校 7 校(西城、永末、山内、峰田・板橋合同、高野、庄原)
2 参加生徒数 延べ 310 名
3 指導者数 延べ 111 名、委託者 15 名
4 業務実施時間 107 時間
5 業務参加者数 延べ 531 名
Ⅲ総括・成果と課題
1 総括と成果
本事業では、地域の自然環境を活用し、多様な森林体験活動を実践した。特に以下の成果が掲げられる。
〇児童の人間形成の促進
森林体験活動を通じて「規範意識」や「協調性」豊かな感性、 「自己肯定感」を育成しました。児童たちはお互いに助け合いながら自然 「の偉大さに触れ、環境保全の大切さを学びました。
〇多彩な体験活動の提供
比和財産区やアサヒの森の散策 (初めてフイールドビンゴをメニュー化) 木工・クラフト体験、クロモジ精油抽出体験、自然観察会、林業体験、焚火体験など初体験の活動が多く、好評を得ました。「世界で一つだけの作品」として木製品を持ち帰ることで、木材の有効活用を実感しました。
2 課題
〇施設整備の充実
課題としては、財産区にはトイレが無いため仮設トイレの設置が必要。また、安全・安心な活動フイールドを提供するため、草刈りや蜂対策などの事前準備が不可欠でした。
〇活動時間の確保
活動時間が、延長されたことで内容を充実させることができたがさらなる工夫が求められる。
3 今後の展望
〇集団宿泊活動施設の拡充
〇低学年を対象にする「どんぐり教室」の導入
〇教育委員会との連携強化
4 提言
1 「森林の学舎」の有効活用
〇宿泊可能施設の整備
〇木工・クラフト大型機器の整備
2 事業の普及啓発
〇教育委員会との連携
〇市民への広報活動
3 人材育成
〇持続可能な活動を推進するコーディネーターの育成
今後も庄原市の森林体験事業をさらに充実させ、未来を担う子供たちの成長を支えていくことを目指します。
番外編現場セミナー:秋の森林浴×史跡探索ウォーキング
11/16(土)安芸高田市八千代町土師・田屋城址
11 月 16 日(土)、安芸高田市の田屋城址にて秋の森林浴イベントを開催しました。当日は朝から曇り空で天気が心配されましたが、大人 15 名、子ども 10 名、合計 25 名の参加者が集まり、無事にイベントをスタートすることができました。
今回のイベントは、スポーツ庁のスポーツ人口拡大に向けた取り組みモデル事業の一環として、「森林浴×スポーツ」をテーマにした全国 8 カ所での取り組みです。森林浴ファシリテーターが主体となり、参加者にはストレスチェックアプリ「COCOLOLO」を使用して心の状態を測定していただきました。
まず、森に入る前に「COCOLOLO」アプリを使い、現在の心の状態を「理想」「やや理想」「集中・覚醒」など 10 段階に分けて測定します。私も実際に計測を行ってみたところ、イベントの準備で緊張していたためか「ストレス気味」という結果でした。
参加者の皆さんもそれぞれ計測を終え、いよいよ森の中へと進みます。
三の丸から本丸、二の丸へと進み、横堀へと降りるコースは、遊歩道から次第に道なき道へと変わります。小さな水路が出現する箇所では、小さな子どもたちにとって少し難しい場所もありました。「怖い~!」と立ち止まる子どもたちを、お姉さんたちが「がんばれがんばれ」と声をかけて助け合う微笑ましい姿が印象的でした。
森の中を進みながら、おしゃべりを楽しむ大人たちの姿も見られ、五輪塔では小田さんによる般若心経が唱えられました。子どもたちも静かに手を合わせる可愛らしい姿に心が和みます。
ゴール地点のお玉ヶ池では、湖面に映る景色を楽しみました。その後、出発地点である大徳さんのログハウス前に戻り、ウォーキング後の計測を行います。心の状態が改善した方、あまり変化がなかった方と結果は様々でしたが、私自身は「ストレス気味」から「理想」へと改善。心も体もリフレッシュしてイベントを終えることができました。
ウォーキングの後は、大徳さんが用意してくださったバーベキューをみんなで楽しみました。子どもたちは丸太切りや木のペンダント作りに挑戦し、たくさんの素敵な作品を見せてくれました。
今回のイベントは、参加者の皆さま、そしてフィールドを提供してくださった大徳さんのご協力により大成功となりました。また、準備段階から当日までサポートしてくれた田屋城址を守る会、当会のメンバーにも心から感謝いたします。
また暖かくなったら、田屋城址での森林浴ツアーを行う予定です。ぜひまた森を一緒に歩きましょう。
(報告者:小浜愛香)
番外編現場セミナー第 3 回「安全に木を伐る技術研修会」
2024 年 11 月 17 日(日)場所: 北広島町戸谷 ヒノキ林
本研修も3回目、補修を含めると 4回目で本年度最後の研修である。これまでの 3回で、①横置きした丸太を切る、丸太を立てて横挽き・受け口づくりの基礎訓練、②チェーンソーの刃の目立て、③マンツーマン指導の伐木・枝払いの実習、牽引具のチルホール・ワイヤーの掛け方等、実践中心の訓練を受けた。
本日の研修は、指導講師桧谷さん、サポート櫻井さん、受講者は当会会員6名(正畑、小西、岡野、小浜、藤井、兼安)計8名が参加した。
最初に桧谷さんから前回までの振り返り、特に目立ての重要さについての話があった。「刃の付け方によるキックバック、刃が切れないと無理な力を加えエンジンの不調をきたすなど、良い目立てはチェーンソーを安全に使用する前提である」というようなことを強く言われた。
その後道具を軽トラに積んで、皆は約 500mの山道を歩いて登り現場に向かった。今日の訓練は各自、順番に1~2本、受け口づくり~伐倒、枝払いまで桧谷さんが観察指導し、各自が不得手に気づき、克服することを目標にした。
まず、最初は伐倒径50cm、樹高約20mのヒノキで幹上部12mくらいから上が大きく谷川に曲がった木を山側へ倒す。山側に牽引するためのワイヤー・チルホールを設置し、伐倒は岡野さんが担当し、他のメンバー全員は見学した。
やや起こし木である。岡野さんのチェーンソーのガイドバー長さは 45cm、伐倒径50cmよりも短く、受け口づくりは幹の左右から交互にチェーンソーを入れて切ることになるが、会合線を左右一致させるのは容易ではない。それでも水平切り、斜め切りを数度繰り返し修正して、桧谷さんの OKが出た。岡野さんは汗だくである。
さらに続けて追い口を切り、くさびを打って最後はワイヤーをチルホールで引き、20mの大径木は見事狙った方向へ倒れた。見学していた皆から思わず拍手が出た。
その後は経験者と初心者がペアになり選定した木を伐倒した。各自順番に受け口づくり~追いヅル切り~伐倒まで桧谷さんが立会い、厳しい指導が入るので時間はかかるが、受け口切り込み位置の決め方、会合線の合わせ方、突っ込み切りを入れる位置と出す位置、くさびを打つ位置などが実感できたと思う。昼休憩を挟み各自1~2本伐採、枝払いまでを実践した。
今回の補修を含め4回の研修内容は①丸太による基礎訓練、②目立て、③伐倒実践であったが、特に③伐倒実践は受け口づくりから伐倒までの一連の動作を細かくチェックして受講生毎に具体的な指摘・アドバイスをしていただき大変有益な研修だったと思う。日常の活動の中ではなかなか体験できない貴重な 4日間であった。
研修場所の提供から用具の準備、受講生の力量・課題をよく観察してもらったこと、的確な指摘など、講師の桧谷さんには受講生全員感謝の気持ちで一杯です。
(報告者;兼安俊介)
現場セミナー「郡山城跡の枯れ木伐採と登山道清掃活動」
10月 27 日(日) 安芸高田市吉田町吉田 郡山城跡
第18回安芸高田市ボランティア交流活動~「郡山城跡の枯れ木伐採と登山道清掃活動」が10月27日に開催され、安芸高田市吉田町をはじめ近隣市町の一般ボランティアを含めて72名の方が参加者されました。「ひろしま人と樹の会」は令和2年から参加(共催)して今年で5年目になり、今日は 10名の会員が参加した。
素晴らしい秋晴れの下9時から開会式が始まり、最初に市ボランティア連絡協議会の芦田会長から5回参加者に感謝状が贈呈されました。当会からは櫻井事務局長、住田さんの2名が表彰されました。芦田会長、藤本市長、櫻井事務局長等の挨拶の後、9時30分から活動開始、参加者はABCD4グループに編成され、当会メンバーは数名づつA,C,Dの3グループに分かれ危険木、枯れ木の伐採を担当した。
今回の枯れ木伐採・清掃場所は毛利元就墓所~三の丸付近までの登山道周辺であり、これを4区分に分けて下から A-B-C-Dグループの順に担当しました。Aグループはカシなど径43~113センチの伐採木が7本あり、ベテランの桧谷さん、住田さん、櫻井さんが担当した。
危険木・枯れ損木等の伐採木は全体で大木が10 本(径50センチ以上は4本)中小木30本あまり、伐採木にはピンクテープが巻いてあるが、郡山城跡は文化財(国の史跡)であり、伐採対象木以外は原則伐採不可、登山道を損傷することも不可なのでなかなか難しい。Cグループは安芸高田市社協の元気のいい若い人であり、私と正畑さんが伐採・枝払い・玉切りした木をどんどん片付け、伐採後枝葉が散乱した登山道を清掃してくれる。
中木5本、小中木10 数本くらい伐採した。最後に幹の上部が登山道側に大きく曲がり、枝葉が張り出している径 30センチくらいの半枯れ木を伐採した。周囲は小中木が密集しており伐倒時に掛かり木になる恐れがあったが、危険木でありまた来年まで1年間放置するのも危険だと思い慎重に伐採したが、なかなか倒れず正畑さんと悪戦苦闘しているところに櫻井さんの助け舟があり、また社協の若い人がテキパキ動いてくれ、12時過ぎにやっと片付いた。1時間かかった。
閉会式が始まるというので登山道を下りたが、登山道はびっくりするくらいきれいに清掃されていた。「タイからの旅行者」が山城を訪れ、下山中に風景が変わっていることに気づきました。そこでボランティア活動の様子を見て、その成果に感心し、貴重な体験として大変勉強になったと感じて、ねぎらいの言葉をいただきました。
閉会式は芦田会長からボランティアの皆さんへの感謝、藤本市長が持参のチェーンソーで奮闘した話、また櫻井さんから、「わが人と樹の会ベテラン」の超人的なパワーとスタミナの話など和やかなムードのなかで終わり、事務局から弁当をいただいて解散した。
(報告者;兼安俊介)
番外編現場セミナー第 2 回「安全に木を伐る技術研修会」
開催日: 2024 年 10 月 20 日(日) 場所: 北広島町戸谷 ヒノキ林
第1回の9月15日(日)は午前中に30℃を超える猛暑であったが、今回は暑くなく寒くなく絶好の伐採日和の中、6名が参加した。前回と同じく指導講師は桧谷さん、サポートは櫻井さん、受講者は当会会員3名(新本、岡野、兼安)ともみのき森林公園職員の森田さんの4名であった。
今回の受講者4名はチェーンソーによる伐採経験者であり、研修内容は前回より実践的なものであり①目立て、②伐倒実技、③チルホールを使用したワイヤー掛けであった。
目立ての研修は、まず各自のチェーンソーの刃を桧谷さんがチェックして刃の角度や長さの長短、刃の曲がり等、問題個所とその原因(ヤスリの握り方、送り方、姿勢など)を指摘する。そして自分で修正して見せて、受講者にさせてみる。研修の短時間の中ではとても桧谷さんのようにはできないが「どういうことがいけないのか、なぜそうなっているのか、どうしたら修正できるのか」そういうことを意識して反復練習することが大切だと教えられる。
目立ての次は昼休憩を挟んで伐倒実技。各自の技量を考慮して4本の伐倒木が選定してある。伐倒径は40~45cmあり、受講者にとっては大径木である。ただいずれも伐倒方向に邪魔になる木はなく伐倒の基本である受け口、追い口を正確に作り、狙った方向に安全に伐倒する基本を身に付ける訓練である。これも受講生一人づつ、開始から伐倒完了まで桧谷さんがつきっきりで指導し、他の受講生はそれを見学する。この見学がまたいい勉強になる。他の3人は狙った方向に倒したが、私は追いヅルを切り離すときチェーンソーのバー先端で前ヅルの左端を欠いたため、伐倒方向が大きく右側に(狙いより30度)ずれた。大きな反省点である。
いずれの木もチルホール、ワイヤー掛けは必要なかったが、研修課題として2倍力の滑車を付けてワイヤーを掛け、チルホールを設置する方法を教わった。安全なチルホールの設置場所、操作補助者との安全確認等、あらためて勉強になった。
12時過ぎ1本目の伐倒が終わったところで昼食休憩、プラスチックの瓶ケースを脚にして長い板を渡した仮設テーブルを囲み、持参弁当をおいしく食べた。経験豊かな三人の方(桧谷さん、櫻井さん、新本さん)の山仕事談義に花が咲く。
13時、午前中に引き続き3本の伐倒訓練。伐倒した木は各自が枝払い、15時過ぎ、道具を軽トラに積み後片付けをして訓練を終了した。
講師の桧谷さんには4人分の目立て台や測定器具らの準備、4人の技量を考えた伐倒木の選定、受け口づくり等、受講生各人のチェーンソー操作を観察して要点をついた指導をしていただきありがとうございました。
(報告者;兼安俊介)
「ちゅーピーの森」森林保全体験イベント開催
10 月 19 日(土)、廿日市市吉和の県立もみのき森林公園内で、中国新聞社企画室主催の森林保全体験イベントが開催され、家族連れなど総勢 34 名の参加がありました。私たちも準備や安全指導で参加しました。15 日(火)には、ちゅーピーの森で草刈りや不要物の撤去、模範伐倒のための木の選定を行い、当会から櫻井さん、桧谷さん、梅田さん、小西さん、小浜、そしてもみのき森林公園の森田さんが参加してくださり、6 人で作業を行いました。
開催エリアもきれいになり、参加者の方々に楽しんでいただけることを願いながらの作業でしたが、イベント当日は朝から雨が降り、公園センターの屋根があるベンチスペースと工作室での開催となりました。 スタッフとして河原さんが加わり、 早くから参加者のお子さんたちも会場に遊びに来てくれていて、朝からみんなワクワクと楽しみにしている様子が伝わってきました。
中国新聞社の和田木さんの司会で開催式が始まり、日野淳太朗営業企画部長さんの歓迎の挨拶がありました。 続いて梅田さんが古いノコギリを見せながら、木と人の関わりの歴史をお話ししました。子どもも大人も真剣に聞き入り、桧谷さんが持つチェーンソーにもドキドキしながらも興味津々の様子でした。
実際にノコギリを使ってみようと、3 班に分かれ丸太切りに挑戦。
ノコギリを初めて使うお子さんも多く、まずは櫻井さんにノコギリを使う時の注意点を聞きます。最初はぎこちない手つきでしたが、挑戦を重ねるうちに上達していました。
さらに薪割り機を使った薪割り体験も行い、木が割れる感覚を楽しんでいました。午前の振り返りの中で「簡単に割れる木と硬くてなかなか割れない木があることに気づいた」 との発見もあり、この体験を通じて樹種の違いや特性について、 体験を通して感じてく
れたことがとても嬉しく思いました。
午後からは屋内で鉛筆作りを行いました。作業している途中で晴れ間が出てきたので、少し早めに切り上げてちゅーピーの森へ移動。当初の計画通り、みんなでロープを使った伐倒を行うことにしました。倒す前に恒例の樹高当てクイズ。この木の高さはどれくらいかな?とみんなで見上げます。梅田さんが教えてくれた自分の股の間から木を覗いて測ってみる方法を試す方も。 その後は桧谷さんが伐倒の仕組みを説明。 チェーンソーで受け口を作り、最後は皆で引っ張り、安全に木を倒すことができました。樹高は 21m あり、倒れた木の上では子どもたちが楽しそうに遊んでいました。
雨の 1 日となりましたが、少し晴れ間が出てくれたおかげでみなさんと一緒に木を倒すことができました。帰り道に「また遊ぼうね」「また次回も楽しみにしています」とお声がけしてくださるお子さん、 参加者の方のお声が嬉しかったです。次回もまたみんなで楽しく遊んで学べるイベントとなりますように。
ご参加・ご協力いただいた皆様、ありがとうございました。
(報告者:小浜愛香)
番外編現場セミナー林間学校プロジェクト事業の開催
10/13(日)・14(月祝) 北広島町土橋
天高く晴れ渡った 10 月 13 日と 14 日、北広島町土橋の YMCA 雲月キャンプ場で、1泊 2 日の林間学校プロジェクトが開催され、小学3年生~小学6年生の子どもたち 33名が参加しました。イベントには、YMCA 関係者 11 名と「人と樹の会」の 4 名が指導者として参加し、子どもたちをサポートしました。
初日、指導者たちは朝 8 時 30 分に集合し、木の伐倒作業の見学用に適した木を選定しました。その後、周囲の草刈りやロープの取り付け作業を行い、子どもたちが木を引き倒す準備を整えました。午前 11 時に貸し切りバスで到着した子どもたちは早めの昼食を済ませ、12 時から 6 組に分かれて林業体験に挑戦しました。
子どもたちは、伐倒作業の見学や枝払い、玉切りの作業に夢中になり、いよいよ木を引き倒す場面を迎えました。伐倒担当の正畑さんが、伐倒木のコナラの傾きや枝張りを慎重に見極め、受け口、追い弦を慎重に行い、合図を行うと、全員がロープをしっかりと握り、力を合わせて一斉に引っ張る、次第に木が揺れ始めました。そして、ついに「どすーん!」という大きな音とともに、地面が揺れるような衝撃と共に木が倒れました。その瞬間、子どもたちの間からは歓声が沸き起こり、大地に伝わる振動を全身で感じながら、達成感と興奮に包まれていました。その後伐倒した「コナラ」木の枝払いや薪の長さに切りる作業を夢中になり体験しました。
15時には自炊活動がスタートし、各班で設置したテントの中で夕食を準備。自分たちで作った料理に、子どもたちは「おいしい!」と笑顔を見せていました。夕食後、21 時
には全員が就寝し、翌日の登山に備えました。
2 日目には、標高 911.6 メートルの雲月山への縦走登山が行われました。6 組に分かれて登山を開始し、11 時 30 分には先頭の組が山頂に到達。河原さんが草原の歴史や広葉樹と針葉樹の違いについて説明する場面もあり、学びの多い時間となりました。
山頂では晴天に恵まれ、大山や三瓶山の美しい山並みを一望することができました。昼食には、手づくりのおにぎりを持参し、絶景を眺めながら味わう特別なひとときを楽しみました。午後 12 時 30 分から下山を開始し、一度県道の駐車場で休息を取った後、縦走登山の開始、午前中の小休止した展望の良い場所まで急な道を登りました。ここからは、来た道を下山しました。急な登山道にもかかわらず、子どもたちは元気に歩き続け、高齢の私はそのエネルギーに励まされて最後まで歩き切りました。
下山後も元気いっぱいの子どもたちは、午後 3 時には全員無事にキャンプ場に戻り、テントの片付けを終えて広島へと出発しました。
今回の林間学校イベントでは、子どもたちが自然とふれあいながら、仲間との協力や課題に取り組む楽しさを学ぶ貴重な機会となりました。自然の厳しさや美しさに触れたこの体験は、彼らの心に深く刻まれる思い出として残ることでしょう。
(報告者:櫻井充弘)