第271回現場セミナー
中小田古墳群の竹林等伐採業務(竹チップ処理)初回の活動報告
5/16(火)広島市安佐北区口田南 中小田古墳群
高気圧に覆われ昼間の気温が29度になった16日、広島市安佐北区口田南の中小田古墳群で武村、前川(美鈴恵みの森づくりボランティア2名)木戸、岩本、政近、川口、新宮原、多久和、江島(大人のかくれ家倶楽部7名)、櫻井の10名が集まり孟宗竹(2月伐採100本)をチップ化した。
9時に広島市佐伯区美鈴が丘から武村さん前川さんがチッパー機を積んで到着した。
「大人のかくれ家倶楽部」木戸敏明代表の「ケガをしないよう1日を楽しみましょう」と挨拶、今年度最初の活動、自己紹介を行い、続いて日程や作業手順、安全上の注意や留意事項を櫻井が行った。
チッパー機での粉砕は大きな音とホコリが舞う作業、ヘルメットにイヤーマフ、マスクを装着して取り掛かった。
作業は、集積してある竹をチッパー機にかけて粉砕する単純な作業。
ところが集積地は住宅側に法面工事が施行され、敷地が狭くなり2月に伐採し集積していた竹(100本)と枯れ木が混じった状態になっていた。
先に竹と枯れ木の振るい分け、息の合った大人のかくれ家のみなさんに手際よくチップ化がスムーズにできる体制に整えてもらった。
チップ化は、竹の根元を先にしてチッパー機のもとへ手渡しで送り、2名が交代でチッパーの中に突っ込んでいった。ガガガと大きな音を出しながらチッパー機からは竹チップ(太さ1ミリ~2.5ミリ)が次から次に吐き出された。
13cm以上の太い竹は、チッパー機に入らないので粉砕作業と並行して木槌でたたいて割り小さくした。
割った竹は軽く、チッパー機もしっかりと材を食い込む、割った内側面を上にするとより食い込みが良くなった。
これまでの経験で培ったチッパー機への投入量は、腹八分目に入れること。
この経験を基にして、チッパー機のエンジン音や食い込み量を確認しながら操作したので一度もチップ機がストップすることなく順調にチップ化できた。
適正な機械の操作、バケツリレー方式で行った手渡作業、太い竹を割ったおかげで流れが良く作業が捗り12時過ぎに終了した。皆様お疲れさまでした。
チッパー処理は、破砕音が大きく近所に迷惑をかけるので、事前に地元の木戸敏明さんに近隣の住民の方々に協力をお願いしてもらっていた。
地域住民の方々のご協力に感謝、感謝
この竹林等伐採業務は、広島市長から委託を受けて実施して3年目、史跡中小田古墳群12基を守るため孟宗竹を伐採している。この古墳群は広島市の歴史を語る上で地域の宝、価値を高め活用の機運を高める取組である。
(報告者:櫻井充弘)
現場セミナー「第27回みどりの集い」
4/30(日)広島市東区福田町 広島県緑化センター
4月29日(昭和の日)に予定されていた「みどりの集い」は、雨で30日に順延され、広島県緑化センターで開催された。当会からは10名が参加した。
急遽順延で予定されていたブースは、いくつか出店が取り止めになっていた。
30日の朝方は曇り空でしたが、午後から晴れ間も見え、絶好のイベント日和となった。例年この「みどりの集い」には、八重桜が満開で迎えてくれるが、今年は開花が早くて散っていた。管理棟前のハンカチの木は満開で、ハンカチに似た白い花が風に吹かれてひらひらと舞っていた。
雨が上がったためか、急遽延期になったにもかかわらず2,000名の来園者があった。
開会式は、高木孝夫実行委員長の挨拶、大濱清広島県農林水産局長の祝辞に続き、可部南グリーン緑の少年団によりみどりの誓いが行われた。
当会は、「森の安全作業を学ぼう」というテーマで、チェ―ンソーの講習や丸太切体験のブースを開いた。
丸太切りは、30年生の末口15㎝のヒノキの丸太を手ノコで切る体験である。
開会式が済んで、すぐに小学1年生の子どもが挑戦してくれた。初めての手ノコ体験で苦労していたが、手を添えて手伝ってやると最後まで切り終えて笑顔であった。
参加者から次々に挑戦者が現れた、かなり苦戦を強いられたようであるが、皆嬉々として挑戦してくれた。子どもたちが苦戦しているのを見て、付き添いの父兄が替わって挑戦したが、やはり子供と同じように苦戦していた。切った後は、木の特徴、切り口で年輪などを解説し喜ばれてた。
感想を聞くと、しんどかったが楽しかった、木の香りがいいと喜んでくれた。風呂に入れるとヒノキ風呂の香りがすると説明すると風呂に入れてみますと楽しそうに話してくれた。参加者にけがもなく無事終えることができた。丸太切りの参加者は120名であった。
みどりの集いは、3時に会場に飾ってあった花を希望者に1鉢づつ配布し閉会した。
(報告者 中元明弘)
1実施概要
1 業務名:令和4年度森林体験プログラムモデル事業実施業務
2 実施期間:令和4年4月21日~令和5年3月31日
3 実施場所:庄原市比和町古頃579番地庄原市森林体験交流施設「森林の学舎」、アサヒの森、比和自然科学博物館、庄原市自然とやすらぎの里宿泊施設「かさべるで」
4 活動概要
令和4年度森林体験プログラムモデル事業は令和2年度に開発した「森林体験プログラム」に基づき、小・中学校の要望プログラムに沿って地域の自然を教材とした森林体験学習を3校に行った。
5 内容
森林体験学習は、比和中学校・板橋小学校(2泊3日)・庄原小学校の児童(延べ167名)を対象に行った。スタッフは、林業体験、自然観察、木工・クラフトなど経験が豊富な指導者延べ35名、クロモジ精油抽出(2人)、星空観察(7名)など一部を再委託で行った。初めての試みとして事前学習も2校で行った。
具体的には次の通り
(1)比和中学校1年生 3名(延べ9名)
①座学(林業とかかわる産業・文化・生活について)
②比和財産区散策、植生観察
③体験活動プログラム
イ)クロモジ精油抽出体験
(2)板橋小学校5年生25名(延べ100名)座学及び2泊3日の集団宿泊活動
①座学 板橋小学校森林体験プロジェクト
②2泊3日の集団宿泊活動プログラム
イ)アサヒの森散策、ロ)林業体験、ハ)星空観察、ニ)薪づくり体験、
ホ)比和自然科学博物館見学、へ)焚火体験、ト)木工・クラフト
(3)庄原小学校4年生58名
①体験活動プログラム
イ)アサヒの森視察、ロ)林業体験、ハ)木工・クラフト
6 実践者 NPO法人ひろしま人と樹の会
7 協 力 庄原市、アサヒの森環境保全事務所、比和自然科学博物館
Ⅱ実 績 (詳細は別紙実績とりまとめ表のとおり。)
1 参加学校 小学校2校(板橋、庄原)中学校1校(比和)
2 参加生徒数 延べ167名
3 指導者数 延べ35名
4 業務実施時間 62時間
5 総参加者数 延べ248名
Ⅲ総括
コロナ禍のため小学校2校、中学校1校の参加と少なかった。初めての試みとして実施した事前学習は、興味が高まり、積極的な体験学習につながり充実した学習ができた。
板橋小学校では2泊3日の集団宿泊活動を実施した。人生初めての体験を乗り切ったことで人間として大きく成長した。宿泊活動は時間に余裕が取れ、多様なプログラムが実施でき学校では得られない教育効果の高い学習ができた。
自然環境の中で実物の教材(森林)からは、山に面白いこと、楽しいことがたくさんある森の働き(多面的機能)を知り、身近に「つながり」があることに気付くなど、真に心を育てる体験ができた。
総合的には「規律意識」「生活意欲・基本的生活慣習」「自己肯定感」「他者理解
・コミュニケーション能力」「豊かな感性」などを高めた。
1実施概要
1 業務名:令和4年度森の学校プロジェクト事業実施業務
2 実施期間:令和4年11月1日~令和5年1月31日
3 実施場所:安芸高田市内の小学校6校(川根小学校、高宮小学校、八千代小学校、美土里小学校、愛郷小学校、吉田小学校)及び八千代町土師炭窯など
4 活動概要
安芸高田市の森林は、手入れ不足などにより荒廃し健全な森として再生する必要がある。このため市では、児童から大人まで森林に関心を持ち、再生に取り組む機運を高める取り組み「森の学校プロジェクト」が計画された。これに基づき小学校児童を対象に森林環境教育活動に取組んだ。
5 内容
令和4年度森の学校プロジェクト事業では地元ふるさとの自然を教材とした森林・林業体験活動を小学校6校で13回のプログラムを行った。
具体的には、川根小学校3回、高宮小学校1回、八千代小学校2回、美土里小学校2回、愛郷小学校1回、吉田小学校2回の児童数延べ313名に次のプログラムを行った。
スタッフは、林業体験、自然観察、木工・クラフトなど経験が豊富な指導者延べ42名で対応した。また、一般住民を対象の炭焼き体験講座は、伐採から集材、窯詰め、火入れ、火の管理、炭出しの工程を9日間かけて行い、延べ60名の参加者と見学者12名があった。
6 実践者 NPO法人ひろしま人と樹の会
7 協力 安芸高田市
Ⅱ実績(詳細は別紙実績とりまとめ表のとおり)
1 小学校児童対象プログラム 参加校6校(活動13回・57時間)、生徒数延べ313名、総参加者延べ405名
①森の散策、②どんぐり教室、③ネイチャーゲーム、④樹木板づくり、⑤林業体験、
⑥森林体験、⑦クリスマス用ツリーづくり
2 一般住民対象プログラム 9日間の参加者延べ60名、見学者12名
①炭焼き体験講座 原木伐採、運搬、窯詰め、火の管理、炭出し(木炭312㎏生産)
Ⅲ総括
小学校1・2年生「どんぐり教室」森でどんぐりを拾い、どんぐりのコマ作りを通して、作る喜びを味わい、回して楽しんだ。身近な自然のどんぐりでコマに仕上げることで自然に対する興味や・関心を高めた。
生徒数の少ない学校では、生徒全員(7名)で森の散策で樹木名板を設置、ネイチャゲームを通し、森林の中での活動で楽しみながら森林を維持し、管理する体験から「森のために」の視点で関心を高めた。
小学生5・6年生森の散策や森林・林業体験では、針葉樹、広葉樹の見分け方や林業の観点から代表樹種を選木、生産資源としての機能を学んだ。また、丸太切りの体験では、林業で使う道具の使い方などを学び、切った丸太でコースターを作つた。
こうした体験活動から持続可能な森林・林業を達成させることが「SDGs」の取組であるとの認識を高めた。
自然の森(教材)からは、山は面白く楽しいことがたくさんある、森の働きを知り、森と人は身近に連携していることに気付くなど心を育てることができた。
総合的には「規律意識」「生活意欲・基本的生活慣習」「自己肯定感」「他者理解・コミュニケーション能力」「豊かな感性」などを高めた。